2017年9月13日水曜日

児童、生徒の声をもっと注意深く聴こう!-「凡庸の唄」に学ぶ -


元公立高校教諭のK.0です。

 学習塾の授業を担当(非常勤)しました。そこで分かったことは、学校の仕事とは少し違う厳しいものがあることです。それは、結果責任が大きく問われます。とくに中学3年生の場合、高校受験の指導になるので、模擬試験等に学習成果が直接出てくるからです。その意味では真剣勝負。私も新たな課題が与えられました。

魅力ある授業内容とは? 
-教育者が教えること、子供たちが求めていること-
    学習塾に通う生徒も多様化していて、高校入試突破とか、学力向上の目標を持って来る生徒だけではないのです。友達がいくからとか、友達をつくりたい等の理由で来る生徒、また、親から言われて仕方なく来る生徒もいます。様々な生徒がいて、授業の進度は個々に応じて満足を与えるとなると、かなり難しい対応が求められるのです。このようななかで、それぞれの生徒に魅力ある授業内容とは如何なるものか・・・・を考えました。 

 教員が教える内容と子供、親が求めている内容とが一致することが望ましいのです。このとき教育効果が大きいものとなります。しかし、現実にはそこに差が生じています。

  一例として、子供たちにとり楽しく、喜びのある内容であるためには、まず学習が分かる、理解できることが基本です。そこに喜びが生じます。さらに、興味関心のある内容、入試時に役立つもの。さらに無限力の話や、朝の時間を生かせ等の真理の話も人気があります。一方、内容的にここまで教えないといけないという授業進度の予定もあり、時間的制約がでてくるのです。

同様な課題は、私たちの生命学園の内容にも問われていると考えます。児童のために教え、伝えたい内容があり、教える努力をするわけですが、児童・保護者の求めているものは何かを念頭に置くことも大切です。喜びのある楽しい内容とはなにか、興味関心を示すものは・・・・。

児童、生徒の声を聴く、今大切な教育の柱
  児童、生徒の心の叫び、将来の夢や不安を聴いてやることが肝要です。聴くことは愛情の表現。現象を越えて神の子の実相を信じ、神性の声を聴く。そこに生長の家の教育のポイントがあると思います。子供は愛されているという愛情を感じるとき、困難があっても乗り越えていけるのです。いじめに屈しないで、絶望の一線で立ち止ることができると思います。

  最近の“質問、意見は受け付けない”風潮。聴いてもらえないとき、強いフラストレーションを感じるのです。どんなつらい思いをするでしょう。特に子供は。ここから様々な病も生じます。あるいは非行、いじめ、不登校、引きこもり・・・。昨年は、320人の小中高生が自殺。一日一人弱の割合で、自ら命を絶つ悲しい状況があるのです。

  まず吾々大人は、教育を担当する者は、子供たちの声をもっと注意深く聴くことからはじめましょう。そこに子供たちは集まってきます。コミュニティが生まれのです。

  生長の家総裁・谷口雅宣先生は、自他一体の生き方について次のようにお説きくださっています。

  凡庸は"粘り腰"の生き方だ。他人の主張を壁のようにはねつけるのではなく、扉を開けて受け入れ、理解しようとする。自分が彼だったら、何が本当に言いたいのか、心を澄まして感じ取り、自分の言葉に翻訳する。それが心に染み込んでいくのを時間をかけて快く感じる。こうなれば、自分と他人との壁は消える。否、本当は壁などないことに気がつくのだ。                 (機関誌『生長の家』2017年4月号11~12頁 谷口雅宣先生ご文章)

  聴くこと理解することは、時間がかかり労力もいります。しかし、そこには愛を実践した喜びが生まれます。それは子供たちにも伝わり、さわやかなつながりとなるのです。このことが、今大切にされなければならないと思います。それが何にもまして楽しい、喜びのある授業内容を実現する柱であり、第一歩であると考えます。

  就職浪人の息子を通して学びました。今までの私であれば、こうだと決めて押しつけたと思います。先日は、よく聴き本当は何を言いたいのかを考え、息子も静かに話しました。今までとは何か違う、つながりと通じるものを感じたのです。

人の話をよく聴き、本心は何を言いたいのかを理解することが大切。最近つくづく思います。

         K.O

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