2014年12月3日水曜日

自然を愛し,その偉大さを実感させる授業

小学校教諭のY・Sです。

今週は,「わたしたちの道徳」という副読本(文部科学省 刊)をつかった道徳の授業をしました。題材は「自然や動植物を大切に」です。その概略をご紹介します。対象は小学校3年生です。
 導入で「次の中に花が咲かないものはありますか?」という問いかけをし,
①さくら ②いね(米) ③杉
 と板書しました。〔*この質問に関しては,2013年7月22日のブログにも書きました〕はじめはこちらのねらい通り,③の杉と答える児童がいました。②のいねについては,稲作地域という特性から,「稲の花は見たことがある」という意見にみな同感しました。
 では,「③の杉は本当に花が咲かないのかな?」と補助発問すると,「見たことがないから咲かないと思う」という児童の意見に引きずられる児童が出てきたので,ここでヒントをあげました。「花粉症で一番多いのは,何の花粉症でしょうか?」すると児童から「杉の花粉症か!花粉が出るということは花が咲くからだ!」「でも杉の花は見たことがないよ」「稲よりももっと小さい花なのかも知れないよ」といった意見が出てきました。  
 そこで,「そうだね。見たことがないからないとは言えないね。実は杉にも花が咲くんだ。今の季節は茶色いつぼみが出ているから,気をつけて見てごらん。では,わたしたちの道徳の102ページから読んでみよう」といって,
 ○ 折れた菊を大切に世話した結果,見事に花を咲かせた話
 ○「ど根性大根」の写真
 ○ 渡り鳥がなぜ「V字」になって飛ぶのかという話
 ○ 岩手県盛岡市の石割り桜の生命力について
を紹介した写真と文をそれぞれ読んで話し合いました。子ども達は,アスファルトから芽を出す草花の不思議な力や,この季節によく見られる雁も「V字飛行」をして,天敵から身を守る工夫をしていることなど,それぞれ知っている自然の偉大さを紹介してくれました。そして次のようなまとめをして授業を終えました。
 「みんなよくたくさんの自然のすばらしさに気付きましたね。自然の素晴らしさに気付くということはみんなも自然の一部だからなんだと思う。」そして板書に,
「花が咲かない植物はない。」植物の横に「人間」と朱書きし,「花の咲かない人間もいない。」「人間の花って,何だろう?考えてみてください。」といって授業を終えました。
 後日,子ども達から自然・人間についての偉大な発見が続々報告されることでしょう。その時はまたブログにアップします。  
   ー 参考文献:「わたしたちの道徳 小学校三・四年」p102~p105 ー  

3 件のコメント :

  1. 人間の花ってなんだろうという問いかけは素晴らしいですね。どんな人にも花があるけど、それがうまく現れていない。それを現すには、まず、花がアルと思うことが大切なのですね。そう、善があることを肯定すること。これが大切なのだと、改めて思いました。

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    1. 山本さん,コメントありがとうございます。
      「人間の花」という言葉は,ふと思いついて出た問いかけです。授業の流れがよかったので,自然にそういう問いが出せました。楽しい授業でしたよ。

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    2. 今年もあとわずかになりましたが、Y.S
      さんのブログには教えられることが多く、感謝しています。私は現役教員ではありませんが、教育実習をしていた時のことを思い出して、読まさせてもらっています。来年もよろしくお願いします。

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