2014年8月12日火曜日

「環境教育」と「道徳教育」

小学校教諭のY・Sです。

 明日から「旧盆」です。私たち教職員もこの期間は「夏季休暇」を取れるのでゆっくり英気を養いたいと思います。

 さて,先日「中央教育審議会」が道徳を「特別の教科」と位置づけ,早ければ2018年度から施行されることを発表しました。道徳の教科化についてはさまざまな議論があると思います。「そこまで日本人の心が荒廃してきたのか」と憂慮される方もいるかと思いますが,私はそうではなく子ども達の「本物を求める心」に応えようというう動きであると,肯定的に捉えたいと考えています。

 教科化となると必然的に「教科書」が必要となります。また,「評価の在り方」も今後現場では研修しなければならないと思います。道徳には教科書がないということは,教職員でないとあまり知られてないことだと思います。現在道徳の授業で使用されているものは「副読本」というもので,複数の出版社や文部科学省が編纂した物語や寓話を集めた「題材集」です。子ども達には学校でも「教科書」と言っている先生も多いので,保護者の方々もそう誤解しているようです。要するに現在行われている道徳の授業は,「4つの価値項目」を育てるために,各学校が独自の計画を立て,それに適合した「副読本」または「副教材」を使って学級担任が指導しているのです。

 

 前置きが長くなりましたが,道徳が教科化され教科書が必要となると,これもまたその選定に苦慮することになるでしょう。なぜなら,教科となると「必ず履修させて評価し,記録(通信票及び指導要録)しなければならない」からです。「人としての生き方や心情」を教え,それを評価するなんて畏れ多いことかも知れません。そんな教科書などどこにもないと考える方も多いと思います。でも私は,今年度改定され文科省から出された「私たちの道徳」(心のノートの改訂版)は,その可能性を秘めていると考えています。

 例えば,その中学校版「美しいものへの感動と畏敬の念」読んでみると,「自然との調和」・「人間の力を超えるもの」・「自然の神秘」という言葉が載っています。これらの言葉は,今一番重要で喫緊の課題である「環境教育」のキーワードにあたります。中でも「慶應義塾大学准教授・大木聖子氏」の『私たちのために地球という星があるわけではありません』という言葉には私も共感します。興味のある方は,リンクを貼り付けましたので,ぜひ読んでみてください。

 「環境教育」は「道徳教育」であり,同時に「命の教育」であると思います。道徳の教科化を待つことなく,多くの教育現場や社会でこのことを真剣に実践していってほしいと考えています。

 

2 件のコメント :

  1. 環境教育は道徳教育だと、私も思います。全体のことを考えることは、とても大切です。インターチェンジ付近でゴミのポイ捨てが目立つのも、環境教育(道徳教育)の欠如です。

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  2. 山本さん,コメントありがとうございます。
    環境教育は,これからますます重要な教育の一分野になると思います。

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