2014年7月27日日曜日

発達障害も「無い!」

小学校教諭のY・Sです。
 日本中の学校は既に夏休みに入りましたね。児童・生徒は夏休みですが,私たち教員は毎日暑い中,研修会・事務処理・出張・備品整理等授業日にはできない仕事に精を出しています。
 さて,先日「発達障害」についての研修を受けてきました。その中で,主に「ADHD」(注意欠陥多動性症候群),「軽度自閉症」のチェックポイントまとめて見ました。自分が当てはまると思った項目に迷わず○をつけてみてください。


 1   時間・空間の中で作業の見通しが立てられない
 2  忘れ物が多い (物,宿題,約束等)
 3  落ち着きがない(手足をいつも動かす,机をガタガタさせる)
 4  いつも身の周りが散らかっているが,片付けることができない
 5  衝動的で,おもしろそうなものに突進する
 6 「よく考えてから動け」とよく注意される
 7  わかっていることだけど止めることができない
 8  話し出すと止まらない
 9  しゃべってはいけない場面でも,ついしゃべってしまう
10  興奮しやすい(キレやすい)
11  忠告を聞き入れない
12  人と同じ行動ができない
13  運動会や学芸会などの練習に参加できない
14  予定の変更があると混乱する                                                                      15 苦手なことがあるとフリーズ(固まって)しまう
私も自己診断をしてみましたが,結果は軽度の「ADHD」でした。といっても心配はありません。それは人間の性格として誰もがもっているもので,決して「障害」ではなく,ある面,「個性」と捉えるべきものである,と講師の先生が話しておりました。しかし,全項目が当てはまる方は,念のため医療機関に受診することをお勧めします。とも冗談混じりに話しておりました。
 今は,発達障害に対応する様々な支援方法が確立されていますので,たとえ子どもがそう診断されても安心して専門の先生や教育,医療機関」に相談されれば,適切な学習支援が受けられます。
 そして,何よりも「現象に現れた悪しき状態は無い!」と見るのが最もよい対処方法です。子どもの「悪しき状態」発達障害や学習障害は「非存在であるから必ず消える」と信じて対応すれば,適当な処置や対処方法が自然にできるのです。それには子どもの「神の子」なる完全な姿を常に祈ることが最も大切であると私たちは教えられています。
 祈りによって子どもの悪しき現象を癒やすのではなく,「子どもを観る自分の心の目を癒やす」のです。

 

2014年7月5日土曜日

愛と讃嘆のことばで万引きを乗り越える


高校教諭のK.Oです。
 かつてのホームルーム担任をしたときの体験を綴ります。

 
D君の立ち直り

  D君は1年生のときに2回の万引きを繰り返しました。1回目は1週間の停学処分となり、2回目は数箇所の店での万引きで、またグループであったことから、無期停学処分となったのです。万引きの動機(理由)はいくつかあげられますが、主にこころのさびしさからと思われます。「愛されたい、認められたい、ほめられたい」という、こころのさけびがあったのでしょう。

 その直後、あまりの精神的ストレスから急性胃潰瘍で、約1ヶ月間入院することとなりました。劣等感、自信喪失が原因としてあったのです。本人は進路変更(他の学校の定時制へ行きたい)を意識し始めました。こころを閉じてしまい、周りの指導にも耳を貸さなくなってしまったのです。

 その後、校長はじめ生徒指導部、教育相談委員会の指導がはじまりました。私はホームルーム担任として、本人が入院している病院への訪問と、母親と話すために家庭訪問を繰り返し実施しました。

 母親との数回の面談の中で、D君の小さいころの様子を話してくれました。小学生の妹がいますが、本人には「長男であるから」と必要以上に厳しく叱責して育てたというのです。ある日の家庭訪問のときに、私は「子供さんをほめたことがありますか」と質問したことがあります。母親からは「ほめると図に乗り、つけあがるから、ほめることはしたことがありません」とのそっけない答えでした。

 それから数日後の面談の中で、母親は「自分の子育ての方法は、これで良かったのだろうか」と反省を述べるようになりました。私は生長の家の月刊誌を差し上げ、人間は神の子・仏の子で皆素晴らしい存在であり、無限の能力と個性を持っていることを説明し、D君の良いところをほめてやることをお願いして帰りました。私も病院訪問のときに、D君の優れているところをみつけて、「D君は根気強く、まじめで素晴らしい」とほめたたえて励ましました。

退院も間近になったころ、D君は日記に「反省をしっかりして、またやったりしないように自分の意志を強くもち、もう一度やりなおしていこう。(中略)親に心配をかけるようなことも絶対にしないようにする」と決意を記し、立ち直ることができたのです。

その大きなキーポイントになったのは、父母の愛情と、D君がそれを理解し感謝する気持ちになったことです。母親の考え方が変わり、息子が万引きで迷惑をかけた店に謝罪して回ったとのことでした。そしてそのことを後で聞いたD君が、父母にこころから「申し訳ないことをした」という気持ちになり、父母の愛情に感謝するこころになったのです。

D君は、2,3年と進級し、無事卒業することができました。そして、関東にある電気関連の会社に就職しました。
 

K君のチャレンジ
 
 1年生のはじめにタバコで処分を受け、同じ年のおわりごろに万引きで、また処分を受けることになりました。動機はD君と同じように、こころのさびしい思いを、物で満たそうとしたのではないかと思われます。父母とも出稼ぎで、祖父母との生活でした。

 K君は部活動(バレーボール部)を自ら責任を取って辞めてしまいました。レギュラー選手になれなかった無念を残したままです。その後しばらくの間、気持ちの落ち込んだ状態の日々が続き、勉強意欲も失いかけていたようです。 

私はホームルーム担任として、数回家庭訪問を行い、母親に生長の家の月刊誌を手渡し、K君には「大調和の神示」をワープロでつくり、繰り返し読むように指示して渡しました。とくに父母にはK君を信じ、良いところを認め、ほめることの大切さを説明しました。 

そのような中、周囲の励ましや父母の意識の転換により、K君は目に輝きを取り戻し、元気に学校生活を送るようになったのです。とりわけ2年生から、別な部活動(ボクシング部)に入り、チャレンジしました。毎日生き生きとして練習に励みました。その甲斐があり、県高校総体で第1位、インターハイで全国第3位の大活躍を遂げたのです。
 

わが家の体験

 ある年の夏、私は文部省(当時)の長期研修(東京)受講のため、約2ヶ月ほど家を留守にしました。9月の初旬、研修も終わりわが家に久しぶりに戻ったところ、長女(当時、小学6年生)が、学校に行かないというのです。家内もどうしたらよいかと困り果てていました。家内から事情を聞くと、学級でいじめられていることが、不登校の原因であるとのことです。学校には1日おきぐらいに行くのですが、行っても保健室で頭痛や腹痛を訴え、教室へ入れない様子でした。 

 私は家内とともに神想観を実修し、子供の実相を祈りました。しかしなかなか好転しません。そのようなとき学校で生徒指導を担当している関係で、教育相談の研修会に参加した折りに、ふと気がついたことがあったのです。「いじめは、外にあるのではなく、内にある」と。それまでは子供の通う学校に、その責任と解決を期待し求めていたのですが、そうではなくわが家の問題であることを、妻と深く反省しました。 

 4人の子供の中で、小さい方に親の目が行き過ぎ、上の子にあまりかまっていなかったのです。愛の表現が足りませんでした。その日、長女を前にして、家内と2人で「今までさびしい思いをかけて、すまなかったね」とあやまり、『甘露の法雨』を読誦してこころから懺悔しました。 

 すると不思議なことに、次の日から何事もなかったように、学校に行くようになったのです。「子供は、私たち親を導く観世音菩薩様であった」と、こころから感謝することができました。 

 今、いじめや不登校が大きな社会問題になっています。「生長の家の教育」こそが、混迷する教育問題を解決できる真理であることを信じます。「生長の家の教育」を実践し、大きく広めていきたいと決意しています。

                                        K.O