2014年6月27日金曜日

「トップ」も認める「宗教的情操教育」の必要性

小学校教諭のY・Sです。
 先日,研修会で講話をいただいた文部科学省の先生にメールを送ったところ翌日,すぐに返信が届きました。以下は私が送ったメールの概略とその先生から届いた返信文です。


  
 本日は研修会において,親しくご指導いただきましてありがとうございました。大変勉強になり,有意義な研修ができました。また,帰りの電車内でお話をさせていただきまして嬉しく光栄に思っております。先生が講話の最後に話された,「崇高で普遍的なもの(神的なもの)がベースにないと教育は難しい」とのニュアンスから,日本の教育にも「宗教的情操教育」が必要な時代が来ていることをあらためて認識いたしました。もちろん,現憲法・教育基本法下で はその実現は難しいことですが,教師個人の教育観・人間観のベースには必要なことと私は考えております。 先生のお考えをお聞かせ願えれば幸いです。 Y・S拝
 

 
 メール拝受いたしました。人が幸福に生きるためにはどのような形であれ大いなるものとのつながりが大切であるとの研究が知られています私自身は日本人の道徳性は高い宗教性がバックボーンにあってのことであると考えております。社会全体が消費社会化し宗教的情操が弱まることに強い危機感を抱いているのですが、我が国はこれまで政治的中立性と宗教的中立性をとても大切にしてまいりました。私にとっては大きな課題です。            ー文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官 S・K拝ー       *太字強調はY・S
教育行政のトップにいる方が,宗教的情操教育について前向きな考えでおられることに安堵感と自信をもてた出会いでした。
 

2014年6月23日月曜日

ちょっと「観方,言い方」を換えてみるだけで・・・。

小学校教諭のY・Sです。
今日は子どもに対する「観方(この子はこうだという主観的捉え方),言い方(声がけ)」」について考えてみます。ちょっと換えてみるだけで,子どもも教師も気持ちが明るくなり,学校が楽しくなります。以下は私が「学級懇談会」で保護者に配布した資料をまとめたものです。保護者のみなさんには,大受けでしたが,真摯に受け止めてもらえました。



                         チクッと言葉とふわっっと言葉
・なにやってんだ!→・大丈夫だよ
・お前のせいだ!→・気にしないでね
・あ~あせっかく楽しみにしてたのに→・次があるよ
・あ,こぼした!→・一緒に片付けよう
・まぬけ!→・大失敗しないでよかったね
・うるさい!→教えてくれてありがとう
                                  観方を変える
・落ち着きが無い→・活動的・活発
・注意が映りやすい→・好奇心が旺盛
・興味の幅が狭い→・探究心がある
・物をよくなくす→・物やお金に執着しない
・しつこい→・ねばり強い
・幼稚→・子供らしい
・単純→・裏表がない


                            「気をつけたい声かけ」
!  質問風の責め
 「何回言われたら分かるの?!」「どうしてそういうことをするの?」
   子供:「こたえられんわい。」

! 漠然とした指示
 「こら,ちゃんとしろ!」
   子供:「何をどのように?」

! 過去のことを持ち出す
 「この前だって,お前・・・!」
  子供:「しつこいんだよ。」

! 脅す
 「休み時間がなくなるぞ!」
  子供:「校長先生に言うぞ!」※休み時間は子供にも保障されています。

! 禁止
 「はさみを持って走るな!」
  子供:「びっくりして転んだらどうするの?」
             
! 複数で長時間のお説教
 「~して,次は~するんだよ。それから次には~に気をつけて。最後にちゃんと~をしてから   席に着け!」
  子供:「何を第一に聞けばいいの?」
   
*これらをちょっと観方,言い方を換えた声がけに転換すると,一言で済みます。
さて,読者のみなさん,どう言いますか?模範回答はコメントにて。
                               

2014年6月9日月曜日

「鳴けぬなら 鳴けるよう祈ろう ほととぎす」

小学校教諭のY・Sです。
 先日,「人材育成のための教育」という演題のセミナーに参加してきました。講師はNHKの教育テレビの英会話番組を担当している著名な大学教授でした。その内容があまりにもよかったので,私なりに咀嚼・反芻したものを簡単にご紹介します。以下は私がまとめたレジメです。
1 東日本大震災がつきつけたこと
 ◎真のリーダーの資質は?
    ① 先頭を歩くということは…自己犠牲を伴う
    ② 行動力・チャレンジ精神・コミュニケーション能力・熱意・性格,人柄の順
    ③ 考える・かかわる人材の育成  (思考・判断・行動・反省・改善)
2 現代社会の課題
  ◎理数系,物作りに卓越した人材を
    ① 起業できる能力
    ②  けんかをしない・よけいな一言を言わない(国際紛争の種)
    ③ 真の思いやりのある人間→「どんなに努力してもできない,報われない友人をど    うしてあげられるかを考えられる人」
3 教師ができる支援
 ◎犯罪者を出さない教育を
    ① メタ認知(振り返り)ができる授業→ビデオの活用
    ② 「皿回し」的授業→トップを回転させればあとは自然に回る。回りにくい皿への      支援。トップ層が満たされる授業を。
   ③ 提出物にコメントで人間関係づくりを。
    *問題が起こる学校の先生ほど“はんこ”だけで済ます。
 
 


 講師である教授の専門は英語教育ですが,上記のことはどの教育現場でも今,喫緊の課題であると思います。私の心に特に沁みたのは,太字斜線の言葉でした。子どもの中にも大人の中にも,頑張っても,頑張ってもできるようにならない,いくら努力しても報われない人がいるものです。学校現場ではそんな子どもが“いじめ”の標的にしばしばなることがあります。大人においては,やけくそになって犯罪に走る場合もあります。私たち教育関係者は,そんな人間をつくらないことが最大の使命であるともいえます。
 ではそのためにどうしたらいいか?子どもの場合,その責任の大半は親にあります。しかし,私たちの仕事は親を変えることではありません。その子の「神の子」たる本当の姿を信じ,それを心で認める“祈り”と言葉で認め励まし寄り添うことです。そもそも,いじめという行為の根底には,「あいつの情けない姿に苛立って,何とかよくしてやりたいんだ。」という“愛の感情”があると私は経験上考えています。それなら言葉や行為でいじめるのではなく,いじめたいと思うこ子ども達に「どうしてあげたらいいのか?」を考えさせるのが教師の務めです。「あの子の努力はきっと実を結ぶ!」とみんなで信じて祈ってあげることです。実際,そうした声がけで学級からいじめを無くし,いじめられていた子どもが高学年ですばらしいリーダーになったという事例を私はもっています。
 「鳴けぬなら 鳴けるようになるまで信じて祈って 言葉で励まし 鳴けるようになることを信じてあげよう!」をスローガンに。
 そうすることで,みんなが揃って生長(無限に伸びる)するのです!
 
  
 

2014年6月3日火曜日

怒らず(叱らず)にできる「感覚優先」の指導

小学校教諭のY・Sです。
 
 


 私の同僚に若いけどとても指導力のある先生がいます。その先生は決して大きな声を出して叱ったり,怒ったりしません。例えば,子ども達が騒いで先生の話を聞かないとき,「10数えるからその間に口を閉じなさい。10,9,8,あと5人,3,2,1,そうだ。それが静かに集中するということだ。いいね。」このような声かけを根気強くしていくうちに,子どもは集中して話を聞くということを“感覚的に”身に付けていきます。読者のみなさまの中にも,先生の長々と訳の分からない「お説教」に辟易したご経験があると思います。ものの道理を理屈で理解させることも教育的には必要なことです。しかし,子どもはたいてい「感覚」でものごとをとらえています。ですから,今,体感していることを「それが○○するということだよ。それは大切なことだ。」と教えてあげる方が効果が高いのです。
 幼い(小学校低・中学年くらい)子どもが落ち着きがないのは生命が躍動しているのですから当たり前のことです。それを統御し,集団生活・社会生活に必要な節度を身に付けさせるには,理屈ではなく感覚,言い換えれば「直感」で把握させることです。私は,子ども達が騒いで話を聞かない時にはよくこんな方法で集中させます。
 先生とじゃんけんをして勝った人から座りなさい。いいですか。でも,ただのじゃんけんではありませんよ。「後出し5じゃんけん」だ。(ここで既に騒ぐ子どもは半減しています。)グーは0です。パーは5です。じゃんけんぽんで先生が1から5の数を出すから次のぽんでみんなは足して5になる数を出す。ちゃんと5になった人が勝ちだ。分かった?では,いくよ。じゃんけんぽん,ぽん!「やったー!」すばらしい!勝った人は座って審判だ。いくよ,じゃんけんぽん,ぽん。・・・。30人学級なら全員が座るのにほんの1~2分です。その時すかさず言います。「ほら,みんな真剣になって静かに先生の話を聞いている。立派だね。やればできるね。それが“集中して話を聞く”ということだ。」と。
 この他にも,「目をつむって聞こえる音を3つ見つけてごらん。」とか,急いで静かにさせたいときは,指で数字を示しながら手を左右に振って「先生は今,指を何本出しているかな?」と問いかけるなどの手法もあります。いずれの場合も静かになったときに「すばらしい!それが話を聞く姿勢だ。」と子どもが今体感していることに価値付けをして褒めてあげることです。
 著作権はありませんので,どうぞ明日からでも実践してみてください。(笑)
 かの有名なアクションスターで武道家の「ブルース・リー」も言っています。
 Don't think. Feel! 「考えるんじゃない。感じるんだ!」
 

2014年6月1日日曜日

絵手紙のこころを教育実践へ!―ハートTOハートで生命よろこぶー


高校教諭のK.Oです。

絵手紙を毎週一通送って

4月(2013年当初)より絵手紙を一週に一通描いて、送ることに決めました。身の回りのなかで、こころに感動したものを絵手紙にし、少し言葉を添えて出します。相手に神様の祝福を与え給えと祈りながら描きます。 

4月に転勤し新しい学校に赴任しました。担当する学科では生徒の実習後に、レポートを集めて確認した後に、レターケースに保管しておく習慣です。どうしたわけか、レポートにコメントを書いて返したいという想いがつのるのです。しかし、職員の中で私だけがコメントを書いて返却し、全体の中で足並みを乱してはいけない、また面倒なことはやらない方がよいという気持ちもします。躊躇しましたが神様に全托していたら、思い切ってやれという声がして実施しました。 

生徒のレポートの感想には、一所懸命やったこと、難しかったこと等が素直に書いてあり、まごころが伝わってくるのです。よいところにアンダーラインを引き、表紙に2行ほどていねいに賞める言葉、また注意等を書いて返却しました。すると、「先生は、一人一人にコメントを書いてくれるんですね」という言葉が返ってきて、こころから嬉しそうな顔でした。私も嬉しくなり、生命と生命とがカチカチと音をたてて触れ合うような感動を覚えたのです。
 

絵手紙のこころでていねいな指導、生徒の真象を見る 

レポートへのコメント書きも、絵手紙での右脳の訓練の成果であると思います。毎週一通、絵手紙を描いて送ることで、ていねいな人間関係の大切さを学びました。また生徒の現象の中の真象、すなわち良いところを見る学習になっています。 

生長の家総裁・谷口雅宣先生は、ブログ「唐松模様」“手紙月”への挑戦の中で次のように説かれています。

  2月を「手紙を書く月」と決めて、毎日誰かに1通ずつ手紙を出すことを勧めるサイトをネット上に発見した。その目的は、「もっとていねいに人と付き合おう」ということらしい。(中略)
私はかつて「下手な字でいい」という一文を書いたとき、プリンターで打ち出した文字のうさん臭さを問題にし、ていねいに手書きした文章は、その文字がたとい下手であっても、書き手の誠意が表れて好感がもてると述べた。(後略)
                          (同ブログ、201321日)

 目立つことでなくても、基本的なことの中に、生長の家の教育のカギがあると思います。教育界の光明化に、今必要なことは、制度や法律の改革ではないように考えます。現下の教育は、デジタル的な効率優先に偏重しているようです。アナログ的なハートTOハートで、教員と生徒の一体の回復が必要なときです。教育に携わる方々、絵手紙を描きましょう。そのことを生徒・児童の指導に反映させましょう。絵手紙で教育が変わる!手ごたえを感じています。

 絵手紙を描いているときは実に楽しい、よろこびの一時です。

K.O