2014年2月7日金曜日

防災教育の充実は喫緊の課題です

小学校教諭のY・Sです。
先日書きました防災教育に関する記事は,都合により削除致しました。ご了承ください。
興味のある方は,「学校防災」または「学校安全」のキーワードで検索してみてください。

 さて,文科省は2013年3月に「学校防災のための参考資料『生きる力』をはぐぐくむ防災教育の展開」を発刊しました。そのねらいの概略は次の通りです。
 

・現在及び将来に直面する災害に対して,的確な思考・判断に基づく適切な意思決定や     行動選択ができるようにする。
・危険を理解・予測し,自らの安全を確保するための行動ができるようにする。
・自他の生命を尊重し,安全で安心な社会づくりに進んで参加・協力し,貢献できるようにする。

 これは「東日本大震災」を受けて作成されたことは,言うまでもありません。しかし,その内容は「生きる力」そのものであり,「自分の命は自分で守る」という人間として当たり前な力だと私は思います。
 私たちの年代(昭和40年前後生まれ)が子どもの時期は,日常生活の中でそのような力や知恵を身につけてきました。友達との遊びや喧嘩,虫取りやザリガニ取り,ちょっと危険な冒険。時には近所の「こわいおじさん(雷親父)」に大目玉をくうようないたずら等々。しかし,現代の子どもたちは,過保護・温室育ちといわれるように,悪い意味で大切にされすぎているため,意図的に「自助能力」をつける教育が必要です。小学校における「生活科」も「自立への基礎を養う」ことが主な目標ですし,今では学校現場で定着しつつある「グループエンカウンター」や「ソーシャルスキル」も人間関係づくりを疑似体験させるのがねらいです。
 

 防災教育もまた,そのような子どもたちを取り巻く環境の変化に応じた重要なカリキュラムになってきたのです。
 実際に「東日本大震災」では,「釜石の奇跡」といわれる防災教育の成果もありました。また,「東日本大震災」で最大震度を記録した自治体 は,犠牲者0,とりわけ児童・生徒に怪我ひとつなかったという事実があります。その理由として,平成20年に起きた「岩手・宮城内陸地震」の教訓が生きていた。つまり自然の猛威を直に体験していたからだといわれています。
 
 子どもたちの命を守ることは,教師の最大の使命です。今こそ防災教育に本気になって取り組んでほしいと心から願います。

 
 ※参考文献「今,始めよう!新しい防災教育」東京学芸大学教授 渡邊正樹 編 著 光文書院 刊

追記:「東日本大震災」の被災地を修学旅行で訪問する学校が全国的に増えています。修 学旅行が無理でも,研修の一環として被災地の現状を視察されるのもよいでしょう。「教育観が変わった」という先生もおります。

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