2013年10月12日土曜日

たった1時間で学級が変わった道徳の授業

小学校教諭のY・Sです。
 今日はたった1時間の道徳の授業で,荒れた学級の雰囲気が変わってしまった体験をご紹介します。

 10年ほど前,私はその学級を受け持ちました。1人の“問題児”の対応に追われて学級が崩壊寸前の状態でした。新学年が始まって2ヶ月ほどでその“問題児”は“優良児”になりましたが,その経緯はまたいつかの機会にご紹介します。学級の雰囲気はまだ少し荒れていたころ実践したのが「いのちのまつり」という題材の道徳の授業でした。主題は3-(1)「生命の尊さを感じ取り,生命あるものを大切にする」で,沖縄の「ヌチヌグスージ」という言い伝えを教材にしたものです。


 主人公のコウちゃんはおばあちゃんからご先祖様についてお話を聞きます。

・自分にいのちをくれたのがお父さん,お母さんだから,1×2=2
・お父さん,お母さんにもお父さんお母さんがいるので,2×2=4
           (おじいちゃん,おばあちゃん)
・おじいちゃんとおばばちゃんにもいのちをくれた,ひいおじいちゃん,ひいおばあちゃんの人数は,
                                            4×2=8
・そのまた上に2人ずついるので,8×2=16 そのまた上に2人ずついるので,16×2=32
 32×2=64,64×2=  ・・・・・・,
コウちゃんの頭の中には何百,何千というご先祖様が浮かびます。その内の1人でもいなかったら,自分はこの世に存在していないのです。なんという奇跡でしょう。
そこで私は子供たちに次のような問題を出して見ました。

◎ いのちを木にたとえると,葉や花や実は(みんな)
    えだは(        ,        )
    みきは(        ,        )
    根 は (         )
    土(大地)は(      )
さて読者の皆様は括弧にどんな言葉を入れますか?子供たちは見事に“正解”しました。
その翌日から,「先生,ご先祖様にありがとうと言ってチィ~ン(仏壇のお鈴の音)したよ。」「お父さんとお母さんにありがとうと言えたよ。」といった感想が続々と聞かれるようになり,学級の雰囲気が次第に温かくなってきました。そうです,子供たちは命の尊さを本当は魂で知っているのです。それを引き出すのも教師の役目。道徳の時間はそのための貴重な時間です。最後に問題の答えを記しておきます。


 ◎ いのちを木にたとえると,葉や花や実は(みんな)
    えだは(お父さん,お母さん)
    みきは(おじいちゃん,おばあちゃん)
    根 は (ご先祖様)
    土(大地)は(神様)

 

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