2013年7月22日月曜日

花の咲かない寒い日は,下へ下へと根を伸ばせ!

小学校教諭のY・Sです。
みなさんは,お米すなわち稲の花を見たことがありますか?
稲にも花が咲くんですね。って当たり前のことですが,稲作農家の子どもでも,稲には花が咲かないと思っている子がときどきいます。
高学年の理科の時間にこんな質問をしてみました。
次の中で花が咲く植物はどれでしょう?
・さくら
・杉
・稲
始めはほとんどさくらとだけ答えます。少し考えて,あぁ,杉花粉症という言葉があるから杉も・・・。でも稲の花は・・・・?
植物はどれも花が咲くのです。子孫を次の世代に残すために。それくらい理科でしっかり教えないといけませんね。
これを書いていたら思いだした言葉があります。
 

「花の咲かない寒い日は,下へ下へと根を伸ばせ。やがて花咲く春がくる」
 確かこのような言葉だったと思いますが,誰の言葉かは忘れました。勇気をもらえる言葉ですね。一粒の種が地に落ちて,大きな木になり花を咲かせるためには,冬枯れの寂しい季節を何度も越さなければなりません。冬の次期にやがて来る春を心に描ける者だけが自分らしい花を満開に咲かせることができると思うのです。
 多くの植物は,冬の一番寒い時期に花の蕾を出します。何故?それは冬の寒さに凍らないためには,糖分をつくらなければならない。その糖分が蕾の凍結を防ぎ,かつ花を咲かせるための養分にもなるからです。植物よりも何万倍,何億倍高等な人間が,厳しい人生の冬の次期に萎れてしまうのは,誠に情けないではありませんか。沈滞期には屈することなく,「いまこそ力を蓄える良い機会だ。」と自分に言い聞かせて,根をしっかりと伸ばしたいものですね。
耐性の欠如は教育界でも問題になっていますが,子どもだけでなく,親も大人もチョットした苦難や面倒なことからすぐ逃げようとする傾向があることは否めませんね。豊かで便利な時代の欠点というにはあまりにも・・・・という事件や事故が最近多いからです。殊に子どもへの虐待は許せません。また,自殺者が交通事故死者の3倍もいるという現実も無視できません。
 今,日本の社会が大きな転換期にさしかかっていると感じます。口先だけの正義論や体制批判,精神論などではもうダメです。やはり根本的な「治療」が必要ですね。では,それはどんな治療か?答えはもう多くの人々の心の中で出ているように思うのです。が,人間というものは,「変わること」に拒絶反応を示す傾向があります。いつまでも古いものの見方やや考えを握っていて,それが不幸や失敗の元だと分かっていても,面子や体裁の方を気にして放さないのですね。困ったものです。禅の言葉に「放てば手に満てり」というのがあります。我の計らいで掴んでいたものを一端パッと放してしまえば,新しい価値観や見方が開けて,人生の扉が開くものを・・・。

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